ギャンブルの原点は江戸川ボート

　競走場の構造、設備を統一するためのルールで定められたのは１９６７年（昭和４２年）です。それまでスタートラインから１マークの距離が１２０メートルしかないレース場もありました。ターンマークや標識板などの大きさ、高さもその時に決められています。それを基本にして、選手が全能力を発揮できるように競走水面を囲む環境も改善されるようになりました。防風対策、防波対策などです。
　そうした中で、環境改善の制約の多いのが江戸川です。アンカーを打って防波対策をやっているものの、レースの中止順延は年間１０日以上になります。中止の理由は「公正、安全なレースができないから」です。しかし、これは江戸川にとってマイナス要因ではありません。刻々と変わる状況にレースの不確定要素が増してくるからです。江戸川ボートの舟券を買っている人は、「できた」と叫びません。ゴールするまで何が起きるか分からないからです。ＳＧで優勝するような選手でも、優勝戦の最終ターンを回ったところで事故を起こしました。ボートレースは「１マークで決着がつく」というのは、江戸川では通じません。ゴールするまで目が離せないです。ボートは配当を出すために考案されて競技です。ギャンブルの原点のようなものが江戸川ボートにはあります。舟券も観戦も長い時間楽しめるのは江戸川ボートでしょう。９月２４日から開催されるヴィーナスＳは選手の水面対応力が舟券の鍵になります。