2025.05.30

タメすぎたスタートは遅れる

 カドが手に入った選手の多くは、捲って勝ちたいと思うようです。差して抜け出すよりも強さのアピール度が違うからです。捲るのが読めれば、外隣の選手が楽なカドにしてくれます。スタート展示から気合入りです。気合入りはスタートの起こし位置でわかります。少しでも助走距離を稼ぎ、スピードの乗った状態でスタートラインを通過しようといます。井口佳典のように若い頃から300mダッシュをしている選手なら奥に引いた位置からでスタートを決めることができます。しかし、日頃200mダッシュしかしていない選手が250mや300mダッシュをしてもスタートを決めることはできません。スタート展示と本番で風の強さでも変わろうものなら、起こし位置はわかっても、起こしのタイミングがわからなくなります。スタートラインに行くまでにアジャストしなければならないので、スタートラインをトップ通過できません。アジャストを嫌い、タメすぎたスタートも立ち遅れます。